Google Workspace Studioは一つのスターター(メール受信や、特定の時間での実行等、プロセス開始のトリガーみたいなもの)と、一つ以上のアクションで自動プロセスを構築できるツールです。Workspace Studioはフローの中にGeminiの推論を差し込むことができるのがメリットで、リリース当時は6種類のGemini関連のアクションが存在していました。
ただ、どこかのタイミングで6つの機能の内の一つである「Ask a Gem(Gemに質問する)」というアクションが突如アナウンスもなく消滅し、気づけば数ヶ月が経過していました。

そんなGem機能ですが、2026年4月28日早朝に突如復活し、現在はWorkspace Studioのフロー構築でGemアクションを選択できるようになっています。今回は突如復活した「Ask a Gem」を利用することで得られるメリットについて説明します。
そもそもGemとは何か?
Gemとは、Geminiに特定の役割・指示・知識をあらかじめ設定しておける「カスタムAIアシスタント」です。たとえば、「営業提案書を作るGem」「社内規程に基づいて回答するGem」「ブログ記事の構成を考えるGem」など、業務・目的に特化したAIアシスタントを作成できます。

様々な知識(ファイル)をGemに紐づけることができる
Gemには「カスタム指示」という設定項目が存在し、ユーザーは独自のコンテキスト情報を設定することができます。それ以外にも、ドライブ上のファイルやGitHubのリポジトリ、NotebookLMのノートブック等をGemに対してアタッチすることもできます。これらの設定データを一度Gemに保存してしまえば、ユーザーは改めて初期情報を再設定する必要はありません。これら設定データを前提として、Gemimiと会話することができます。

「Ask a Gem」とはどのようなアクションか?
「Ask a Gem」は、端的に説明すると、自分で作成したGemにプロンプトを送信し、その回答を後続の処理に活用するためのアクションです。Google公式ブログでも、要約の作成やドキュメント作成などのタスクを自動化できる機能として紹介されています。
「Ask a Gem」を利用することのメリット
① 社内データ(独自知識)を参照した処理をフローに組み込める
「Ask a Gem」では、例えば、事前にマニュアルや社内FAQ、ガイドラインなどのドキュメントを知識として組み込んだ「カスタムGem」を呼び出すことができます。「Ask Gemini」は一般的な知識に基づいた回答しかできませんが、「Ask a Gem」なら「自社の規定に基づいた判断」や「社内資料に沿った回答案の作成」が可能です。
② フロー構築時のプロンプト入力の手間を減らせる
事前にGem側で詳細な役割(ペルソナ)やルールを設定できるため、Workspace Studioのフロー上では、前提となるコンテキスト情報の入力を省くことができます。そのため、ユーザーはそれ以外の追加で処理したいプロンプトを渡すだけで済み、長くて複雑なプロンプトを都度入力する必要がなくなります。
③ メンテナンス性が高く、複数フローでの再利用が容易
業務ルールが変更された際、「Ask Gemini」を使用していると、関連するすべてのフローを開いてプロンプトを個別に修正する必要があります。一方、「Ask a Gem」であれば、大元となる「Gemの指示」を1箇所書き換えるだけで、そのGemを利用しているすべての自動化フローに変更を即座に反映できます。
「Ask Gemini」と「Ask a Gem」の違い
念の為、「Ask Gemini」についても触れておきます。「Ask Gemini」は、Workspace Studioがリリースされた当時から存在する機能で、端的に説明すると、単純にGeminiに対して、プロンプトを送信し回答を得るだけのアクションになります。「Ask a Gem」と「Ask Gemini」の違いは以下の通りです。
| 比較項目 | Ask a Gem | Ask Gemini |
| 参照する知識 | 事前にGemへ登録した独自のコンテキスト情報(社内資料など) | モデルが持つ一般的な知識のみ |
| フローでの指示 | 詳細なルールはGem側に事前設定済み | 詳細な前提条件やルールをフロー内で都度書く必要あり |
| 保守・管理 | Gem側の設定変更で、紐づく複数フローへ一括反映が可能 | フローごとに個別でプロンプトを開いて修正が必要 |
| 適した用途 | 社内規定に基づく判定、自社製品のFAQ回答、特定トーンでの文章作成 | 単純な長文要約、一般的な言語翻訳、感情分析、アイデア出し |
まとめ
ここまで説明してきた通り、「Ask a Gem(Gemに質問する)」の復活は、Google Workspace Studioにとって単なる一つのアップデートではありません。Gemアクションが再び戻ってきたことで、Workspace StudioはAIエージェント構築ツールとしての価値が圧倒的に高まったと思います。
これまでのGoogle Workspaceをベースとした業務では、ユーザーはブラウザからGeminiアプリを開いてGemに質問し、その結果を別の業務に使うという流れが中心でした。しかしこれからは、フォーム、メール、ドキュメント、チャットなどの業務フローの中で、Gemが自動的に呼び出されるようになります。
まずはWorkspace Studioを開き、作成したGemを自動フローに組み込んで、その効果を実感してみてください。












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