【2026年2月最新版】Google Workspace Studio 大全

Google Workspace Studioとは何?

Workspace Studioは、Google Cloud Next ’25で発表されたGoogleが提供する業務効率化のための新しいツールで、Google Workspace内のアプリ(Gmail、ドライブ、スプレッドシート、カレンダーなど)を横断して「自動化フロー」を簡単に作れるツールで、「イベントをトリガーにして処理を実行する仕組み」を、Google環境で実現できるのが特徴です。また、Geminiを利用することで、フローにインテリジェントな処理を差し込むこともできます。

※ イメージをさらに膨らますために以下の動画もご確認ください。

Workspace Studio は「面倒な繰り返し」を代行してくれる

たとえば、Gmailに特定の件名でメールが届いたら、自動的に添付ファイルをGoogleドライブに保存し、そのリンクをGoogle Chatに投稿する、といった流れをコード不要で組み立てられます

ノーコードで利用できるため、エンジニアでなくても直感的に業務プロセスを自動化可能です。また、Google Workspace全体に統合されているため、セキュリティやアクセス権限の管理も統一され、企業利用にも適しています。簡単に言えば「Google公式の業務自動化プラットフォーム」であり、日常の繰り返し作業を削減し、より創造的な業務に集中できるよう支援してくれるサービスです。

私たちの普段の仕事は、メールを送ったり、資料を作ったり、会議をしたりと、たくさんのデジタルツールに支えられています。とても便利ですが、その一方で「このメールの内容をスプレッドシートにコピペして、チャットで担当者に知らせて」といった、アプリをまたいだ単純作業に時間を取られていないでしょうか?

こうした「ちょっと面倒だけど、やらないといけない繰り返し作業」を、ノーコードで自動化してくれるのが、Googleが提供するAIエージェント作成ツール「Workspace Studio」です。

Workspace Studioがただの自動化ツールでない理由

ここまでの説明だけだと、「これまで世の中に存在する自動化ツールと何が違うの?」という疑問が湧いてくると思います。Workspace Studioがただの自動化ツールでない理由は、Geminiをサポートしているところです。つまり、プロセスの中にAIの推論を差し込むことができます。例えば、プロセスの中で発生する情報(メールやファイル)の中身を解析し、結果に応じて次のプロセスを定義することができます。Workspace StudioにおけるGemini機能については、後半あたりで説明します。

Workspace Studioはプロセスの中にGASを組み込むことができる

Workspace Studioは、標準機能として、Webhookによる通信や、外部サービスとの連携ができますが、実はGASとの連携も可能です(つい先日、情報ページが公開されました)。正確にいうと、Google Workspaceアドオンのお作法で実装したGASが組み込めるようになります。「appsscript.json」でWorkspace Studio向けのアドオンであることを定義し、その上でこのフレームワークに沿って、GASのコードを実装します。

Workspace Studioはいつから利用可能?

Workspace Studioは、2026年2月14日現在、Google Workspaceのほとんどのエディションで利用可能な状態になっています。ただ、無料のGoogleアカウントでは、現状利用できないようです。

※URLは以下になりますが、無料のGoogleアカウントの場合はヘルプページにリダイレクトされます。

https://studio.workspace.google.com

Workspace Studioはまだ日本語化されていない

2026年2月14日現在、Workspace Studioは、まだUIは日本語化されていません。ただ、フローの中にGeminiを差し込むことができるという話を前述したと思いますが、この時のGeminiに対する指示(プロンプト)は日本語でも機能しますので、是非この後試してみてください。

Workspace Studioの費用は?

Google Workspaceに標準で搭載される機能になるため、Google Workspaceのライセンス費用以外は必要ありません。既にGoogle Workspaceを契約している企業の場合は、そのまま追加料金なしで利用することが可能です。

Workspace Studioと連携可能なサービス

Workspace Studioでは、公式バージョンがリリースされた当初、以下のサービスを利用することができましたが、2026年2月14日現在、これらのサービスは選択できない状態になっています

ただ、Google公式のGoogle WorkspaceコミュニティのWorkspace Studioチャンネルにて、Googleの中の方が「Slack ステップなどのサードパーティ統合は、最終的に再び有効になります。」と書いていたため、近いうちに復旧するのではないかと考えています。

Workspace Studioで構築する自動化フローの仕組み

Workspace Studioの一番すごいところは、プログラミングの知識がいらないことです(※1)。「マネージャーからメールが来たら、チャットで通知して」のように、普段使っている言葉(自然言語)でお願いするだけで、AIが自動的に仕事の流れを組み立ててくれます 。これなら、ITが苦手な人でも、自分の仕事を楽にするための「自動化の仕組み」を自分で作れてしまいます。

※1 GASとの連携も可能であるため、正確には完全に不必要なわけではないですが、基本的な機能はノーコードで構築可能です。

Workspace Studioのプロセスは、主に2つのパーツ(StarterとActions)で構成されています。概念図で表すと、以下の通りです。1つのStarterと複数のActionによって、Workspace Studioのプロセスを構築することができます。

①Starter(プロセス起動のキッカケ)

Starterは、フローの起動をスタートさせる合図です。「特定の時間になった」「Gmailで特定のメールを受け取った」「Googleフォームに新しい回答があった」「Googleドライブにファイルが追加された」など、色々なことをきっかけに設定できます 。

②Actions(行動)

Actionは、Starterをキッカケとして、実際に「動作させたいアクション」のことです。「メールを送る」「チャットにメッセージを投稿する」「スプレッドシートに新しい行を追加する」といった具体的な操作が含まれます 。

Actionの中にGeminiによる操作を差し込むことができる

Actionは複数設定することができますが、この一連のActionに対して、Geminiによる自動処理を差し込むことができます。例えば、お客様からの問い合わせメールが来たら、AIがその文章を読んで「これは緊急!」「これはクレームかも」と内容を分析したり、その分析結果をもとに返信メールの文章を作ってくれたりします 。Workspace Studioで利用できるGemini機能は以下の通りです。

  • Ask Gemini
    • Geminiにプロンプトを送信し、テキストを生成することができます。要約から返信メールの内容まで、あらゆる目的のテキストを作成することができます。
  • Ask a Gem
    • 自分が作成したGemにプロンプトを送信し、テキストを生成することができます。
    • 2026年2月14日現在、本機能は利用できない状態になっており、復旧時期も未定です。
  • Recap unread emails
    • Gmailの未読メールを要約することができます。
  • Extract
    • 任意のテキスト情報からキーワードを抽出することができます。
  • Decide
    • 任意の情報に対して、任意の条件が真か偽かをGeminiで判定することができます。
    • Check ifステップと組み合わせることで、真・偽それぞれの場合毎にActionを定義できます。
  • Summarize
    • 文章を要約することができます。

この機能のおかげで、Workspace Studioはただ言われたことをこなす従来の自動化プロセスではなく、状況を理解して最適な行動をとれる、頼れるアシスタントになります。これは単なる作業の自動化ではなく、「考える→判断する」というプロセスの一部をAIに任せるというエージェント業務の始まりと言えます。

Workspace Studioの具体的な使い方

では、実際にWorkspace Studioを使って、業務の自動化を行なってみましょう。先程説明した通り、Workspace Studioで構築されるフローは、1つのStarter(スターター)と1つ以上のAction(アクション)によって構成されますので、この2つのコンポーネントを使って、自動化プロセスを構築してみます。

お客様からの問い合わせ処理を自動化する

毎日たくさん届くお客様からの問い合わせメールを一つ一つ内容を確認して、担当者に振り分けるのは大変な作業です。Workspace Studioを使えば、このプロセスを劇的に改善できます。

フローの作成画面に遷移する

Workspace Studioにアクセスし、左メニューの「+」ボタンを押下する。

Starterの設定(メール受信をトリガーにする)

[Choose a starter]-[When I get an email]を選択する。

全てのメールを対象にするので、「All emails」を選択する。

Actionの設定① Geminiでメールの内容を分析する

[Choose a step]-[Decide(※2)]を選択する。

※2「Decide」はGeminiで条件に対してTrueかFalseかを判定し、次のステップに繋げるためのアクションです。

「Variables」をクリックし、Starterで取得した「メールタイトル」と「メール本文」を選択し、「ネガティブな内容ですか?」というプロンプトを入力する。

Actionの設定② 条件がTrueであるかを判定する

「Check if」アクションを選択し、「Step2: Decision」を「is true」で設定する。

Actionの設定③ メールの内容を要約する

次のアクションに「Ask Gemini」を選択する。

「Variables」をクリックし、Starterで取得した「メールタイトル」と「メール本文」を選択し、「メールの内容を要約する」というプロンプトを入力する。

Actionの設定④ 要約した内容をチャットで通知する

次のステップに「Notify me in Chat」を選択し、「Variables」から③で要約したテキストを選択する。

フローの有効化

「Turn on」をクリックし、フローを有効化する。

これにより、大量のメールの中からネガティブな内容のメールのみ要約して、自身に通知できるようになります。

Workspace StudioとGASやその他ツールとの違い

Workspace FlowsとGASやその他自動化ツールとの違いは以下の通りです。

項目Workspace StudioGoogle Apps Script (GAS)その他の連携ツール (Zapierなど)
どんな人向け?非エンジニア含む、すべての人JavaScriptの実装経験がある人
※現在はAIのおかげで敷居が下がっている
非エンジニア含む、すべての人
※普段多くのツールを利用している
何が得意?AIが考えて動く、賢い自動化Googleのツールを自由自在に改造することGoogle以外のたくさんのアプリを繋ぐこと
使いやすさとても簡単(ふだんの言葉でOK)難しい(プログラミングが必要)簡単(画面操作で設定)
AI機能標準装備(Gemini/Gems)なし(自分で外部のAIと連携させる必要あり)限定的(一部の機能のみ)
最適な使い方Gmailやスプレッドシートなど、Googleのツール内の仕事を賢く自動化したいときもっと複雑で、自分だけの特別な自動化を作りたいときGoogleのツールと、外部のサービス(Slackなど)を連携させたいとき

この表からわかるように、Workspace StudioはGoogleのツール内での仕事をAIで賢くすること、GASはプログラミングによる無限の可能性、他の連携ツールは色々なサービスを繋ぐことに、それぞれ強みがあります。

まとめ

Workspace Studioは、単に面倒な作業を減らす自動化ツールではありません。自動化プロセスの中にAIを組み込み、これまで人間がやっていた「考える」「判断する」という作業の一部を任せられるAIエージェントです。

Workspace Studioは、従来の「Aを実行したら、次はBを実行する」という単純なルールベースの自動化ツールとは違います。「Aを実行したら、AIがその内容を分析・判断し、最適なアクションBを実行する」という、文脈を理解するインテリジェントな業務のプロセスを実現することができます。

Workspace Studioを活用することで、一歩先の自動化を実現できることは間違いないので、ぜひ実際に手を動かして、自動化フローを構築してみてください。

※ Workspace Studioのメリットについて、さらに深堀したい場合は以下の記事もご参考ください。

Google Workspace Studioをオススメしたい3つの理由

rei.morita

吉積(よしづみ)情報株式会社 取締役 副社長 16年程 Google Cloud と Google Workspace に関する事業に携わっています。Google Workspaceに関連した技術が得意分野です。

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